関羽をかけて対決!! 第7回戦


「単勝10.6倍のブルーメンブラットが1着……」
 呆然としながら趙雲が呟いた。
「そうよ。そしてその単勝に私は10000円買っていたわ」
 曹操が腰に手を当てながら言った。
「106000円も当たってる……」
「そこまで配当が高いのには少し驚いたけれどね」
「当てすぎではないか!?これでは勝負が面白くなくなるだろう」
「仕方がないでしょう。当たっちゃったんだから」
「うむ、これで鈴々の勝てる可能性はゼロになってしまったな」
「はにゃ!?なんでなのだ?」
 張飛は理由が分からず驚いていた。
「現在の曹操殿の収支がプラス102000円。残りのレースは今回を含め5つ。5レースとも上限の10000円ずつ買って全部外れたとしても50000円のマイナス。102000円から50000円引いても、52000円のプラス。曹操殿がどう馬券を買ったとしても、収支はマイナスになることがないんだ」
 趙雲が分かりやすいように張飛に説明をしたやった。
「えー!?じゃあ鈴々は、鈴々はもう負けが決まったってことなのだ?」
「うむ、そうだな。曹操殿が当てすぎた所為でな」
「ひどいのだ。せめて最終戦まで鈴々もドキドキしたかったのだ……」
 目を潤ませながらうなだれる張飛。その瞳からついには涙がぽろぽろと零れてきた。
「負けちゃったら、鈴々はもう愛紗と一緒のお布団で寝られないのだ」
「そんなことはないぞ、鈴々」
 関羽がそう言い泣いている張飛を抱きしめた。
「勝者に与えられるのは一晩の権利だけだから、それ以外の日はいつも通り一緒にいられるぞ」
「それは本当なのだ?」
「ああ、もちろん。だからもう泣くな」
「うん!なのだー」
 さっきまでの涙はどこへやら。笑顔になった張飛は嬉しそうに関羽の胸に顔を埋めた。
「やっぱり愛紗のバインバインの胸は気持ちいいのだ」
 それを羨望の眼差しで見ていた曹操。でももうすぐ関羽の全てが手にはいるのよ。そう心に言い聞かせていた。
 趙雲もまた羨ましそうに見ていたが、その時ふと気づいたことがあった。
 張飛はなんだかんだ言いながら、この戦いの最中でも今のように関羽に甘えたりしている。そして今後も一緒の布団で寝ることまでちゃっかり確約している。
 そしてこの戦いの勝利に限りなく曹操は近づいている。
 なのに自分はどうだ?馬券はさっぱり当たらず曹操にコケにされ、関羽との美味しいシーンもまだ一度もない。このまま負けてしまうと何にもいいことがないではないか?
「どうしたの?難しい顔をして」
 曹操が趙雲に問いかけてきた。
「うむ、今度の馬券を考えていたんだ」
「あなたの勝つ確率も限りなくゼロに近づいたんですものね。さっきあなたが言っていたように、私が最終戦まで全レース外したとしても最低でも52000円は残るわけだから、それ以上にならなければ勝てないのよ」
「分かってる。今回からは勝てるような買い方をする」
「そう。じゃあ今回は私からね。私はもう1杯ウォッカを頂くわ。2枠4番ウォッカの単勝に1万円」
「訊くまでもなく牝馬だからってとこだろう」
「もちろん。で、あなたは?」
「うむ……(能書きが長いので以下略)」
 趙雲の能書きが見たい人はここをクリック。
「1番オウケンブルースリ、8番トーホウアラン、9番ディープスカイの3頭の馬連ボックスでいこう。金額は1−9が5000円。1−8、8−9が1000円だ」
「いつもより買う金額を増やしたのね」
「勝つための手段だ」
「収支のマイナスの金額が更に増えていくだけじゃないの?」
「そんなことは……ない……だろう……と思いたい」




 ということで、関羽をかけた対決第7回戦がやってまいりました。
 曹操が馬券を当てすぎて、ついに張飛の勝利がなくなってしまいました。
 まだ一度も馬券が当たっていない趙雲では、この収支の差を埋めるのも難しいように思えますね。
 このまま順当に曹操が勝ってしまうのか!?

 第7回戦のジャパンカップは11月30日15時20分の発走です。
 次回は12月7日に行われるジャパンカップダートの馬券対決でお会いしましょう。



 曹操趙雲
前回の結果単勝10.6×10000円
106000円的中
外れ
11/29
現在の収支
+102000円−21000円
今回の馬券単勝
4番 ウォッカ
10000円
馬連
1−9 5000円
1−8 1000円
8−9 1000円




8回戦「ジャパンカップダート」へ 続く




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