趙雲の能書き


「3回目にして分かってきたが、どうやらここのコーナーは省略されているので私が好き勝手やっても問題ないようだ。ではメンマが送られてきていたので、それでも食べながら今回馬券を決めるとでもするかな」
 趙雲は幸せそうな顔で箸で掴んだメンマを口に運ぶ。
「ぶーーーーーーーーっ!!」
 口にしたメンマを吹き出す趙雲。
「な、なんだこれは!?味がついてないではないか!!」
 趙雲が激怒しながらメンマの入っていた袋を確認する。
 すると「メンマの水煮」と書かれていた。そして「調理してからお食べ下さい」とも記されている。
「誰だ!こんなメンマを送ってきた奴は!全く。折角おいしく頂けると思っていたのに、縁起が悪いではないか。今回馬券を外すと、また曹操の奴に嫌みを言われてしまうではないか。なんとしても今度は当てたいというのに」
 ぶつくさ文句を言いながら趙雲はメンマを袋に戻していった。
「今度、調理してから食べるとしよう。うむ、では馬券を決めるぞ」


 今回の菊花賞。
 曹操が言っていたように確かに面白味には欠けている。
 皐月賞を勝ったキャプテントゥーレは故障、ダービー馬ディープスカイは天皇賞に向かうということで回避してしまいG1馬が不在。
 そしてディープスカイといつも好勝負をしていたブラックシェルも故障中。
 故に本命がいないレースと言っても過言ではなく、どうも盛り上がりに欠けてしまう。
 前哨戦の神戸新聞杯でディープスカイ、ブラックシェルの3着に入ったオウケンブルースリ。
 ダービーで2着だったスマイルジャック。
 恐らくこの2頭が人気を集めるのであろう。
 だが秋華賞のようにこの2頭も絶対視は危険だと思う。
 4年前の同じく皐月賞馬、ダービー馬が共に不在だった時にも馬連で万馬券がでているように今回も荒れるのではないかと予想する。
 展開次第でどの馬が勝ってもおかしくないようなくらい、そう力の差はないとみる。
 だから今回はワイドで買ってみようと思う。

 まず気になる馬はノットアローン。
 調教の動きも良いようだし、前残りの展開となれば怖い馬だ。
 しかも鞍上は長距離に強いと言われている横山典騎手だ。
 次にメイショウクオリア。
 前哨戦の神戸新聞杯では大敗したものの、3000mという未知数の距離の中で長距離適正がありそうなこの馬は不気味に思う。
 もう1頭は東の刺客ベンチャーナイン。
 神戸新聞杯では4着だったが、最後方からの追い上げてのもの。
 あの脚は侮れない。

 ノットアローン、メイショウクオリア、ベンチャーナインの3頭をワイドで買うことにする。



以上、趙雲の能書きのコーナーでした。

果たしてここまで読んでいる人がいるのだろうか!?



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