突発性ミリオンアーサー  〜円卓の不具合〜




 マーリンの命に従いカメリアド王女のグィネヴィアを救出したアーサー−技巧の場−。
 グィネヴィアは円卓の管理者であった。
 早速、不具合を起こしているアーサーの円卓を調整するようマーリンから言われる。
「ちょちょいのちょいでしてよ」
 言葉通りグィネヴィアはアーサー−剣術の城−、アーサー−魔法の派−の円卓を容易く調整し直していく。
「ちょっとアーサー!聞こえてますの?そこのアーサー!」
「え?あたし?」
「あなたしかいなくてよ」
 アーサー−技巧の場−はグィネヴィアに呼ばれ振り返る。
「さぁ早くあなたの円卓も出しなさい。調整してさしあげますわ」
「え、あ……お、おう。え、円卓な……」
 アーサーは目が泳いでいる。
「ぐずぐずしてないで、早くなさい」
 グィネヴィアは待たされイライラして不機嫌だ。そもそも機嫌がいい時があるのか、この王女様は?
「あー、分かった分かった。えーっと、円卓、円卓……」
 ポケットの中やわきの下を探す、振りをするアーサー。
 その時、なにやらアーサーは閃いた。そして鼻の下を伸ばす。
「思い出した。円卓は部屋に置いてある」
「は!?持ち歩いていないんですの?」
「今日は置いてあるっていうか。まー、行けば分かるって」
「はぁ」
 納得いかないが助けてもらっている手前、文句も言えず一応従うグィネヴィアであった。
「しっかり調整しちゃってよ。円卓の管理者ちゃ〜ん」
 アーサーはにやにや笑っている。
 部屋に着くとアーサーはグィネヴィアをベッドに突き飛ばした。
「きゃっ、何するんですの!」
「何って円卓の調整でしょ?」
 そう言いながらアーサーは結っていた髪を解く。そして服を脱ぎ始める。
「な、なんですの!?」
「だから円卓の調整だろ」
「その円卓は一体どこにあるんですの?」
 不審な目つきで見るグィネヴィアにアーサーは下着姿で腰に手を当て大きな声で言い放つ。
「あたしが円卓よ!(ドヤァ)」
「は?」
 あんぐりと開いた口が塞がらないグィネヴィア。
「だからあたし自身が円卓だつってんでしょ」
 下着姿のアーサーはベッドの上のグィネヴィアに近付いていく。
「さぁ、早く調整してよ」
「な、な、な、なんですの!そんな円卓ありえませんわ!!」
「あるんだから仕方ないでしょ」
「円卓って丸いものでしてよ」
「丸い部分もあるじゃん」
 アーサーが距離を縮める分だけグィネヴィアは後ずさりしていく。だが遂にはベッドの宮まで追い詰められてしまう。
 ボコッ!!
「それ以上、近付いたら殴りますわよ!」
「いってー!殴ってから言うなよ!乙女の顔をグーで殴りやがって」
「誰が乙女ですって!?もー、なんでこんなアーサーに助けられたのかしら?」
「仕方ないだろ。100万人もいるんだから。色んなアーサーがいて当然だろ。 そんなことより、早く調整してよ。ん?なんだったら先にあたしがあんたを調整してやろうか」
 にんまりと笑いアーサーはグィネヴィアに手を伸ばす。
「いーやー!助けて!!アーサー!!」
「だからあたしもアーサーだっつーの」





おしまい
 







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「実在性ミリオンアーサー」16話が面白くて、つい勢いで書いてしまいました。
技ーサーのキャラが大好きです。
ブリテンの王になって百合ハーレムを作るべきだと思います。(笑)